りんメロ式講座

白いワンピース。 その6(最終回)

time 2019/12/03

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白いワンピース。 その5

横たわる彼氏を見て、私は決意した。

「私、医者になる。圭介の足を元の足に戻せるような、そんな医者になる。」

しかし、現実は厳しかった。

私の行っている高校はスポーツ高校。お世辞にも勉強が出来るとは言えないような学力の高校だった。

この学力から医者になるなんて異例中の異例。しかも、足の最先端の研究をする医者になりたければ、相当な学歴が必要だった。

しかし、私は決意したんだ。大切な彼氏のため。命をかけて私を助けてくれた、彼氏のため。

大好きな彼氏の為なら、不可能を可能にする自信があった。

こうして、私の戦いが始まった。

帰ったら勉強。寝る間を惜しんで勉強。もちろん、学校にいる間もずっと勉強した。

「何アイツずっと机に座って勉強しているとかガリ勉じゃんキモ」
「おいブス。調子乗んなよ」
「学校中のスターの足を奪った分際が何呑気に勉強しているんだよそんな暇があるんだったら学校中の一人一人に謝れ」

しかし、私にそんな罵声はもう聞こえない。私の頭の中は数式だらけだ。

そんな中、最初のテストを迎える。私はほぼ満点に近い点数を取り、全クラス1位になった。

「全クラス1位になるとかキモ。勉強以外やる事無いんじゃない?可哀想に」
「もう勉強ロボットじゃん。もはや人間じゃない」

しかし、私はそう言われる事に嬉しく感じた。

罵声しか言えない奴らが負け惜しみを言っているようにしか聞こえなかった。

私はこの調子で1位を取り続けた。2位と圧倒的差をつけて1位。ほぼ満点に近い点数を取り続けた。

時は流れ高校3年になり、成績最優秀者の私はあらゆる大学から推薦を貰った。中には中々の名門大学まである。

しかし、私は全てその推薦を拒否した。そこに私の行きたい大学は無い。

私の行きたい場所は、頂点のみ。

私の勉強はますますヒートアップした。食事中も勉強。寝る時も分からなかった問題を考えながら寝る。

息をしている間、ずっと勉強していると言っても過言ではない。まさに勉強ロボットだ。

勉強に辛くなりそうになったら、過去に自分が受けてきたイジメ、彼氏の顔を思い浮かべる。

過去の自分の経験した事を思い浮かべれば、勉強の辛さなんて痛くも痒くもなかった。

そして入試の日。数々の名門高校から受験生が集まる。スポーツ高校から出ている受験生は私ぐらい。

入試は不安だったが、ほぼ私に解けない問題は無いぐらいにまで成長していた。

入試が始まる。彼氏の顔、今まで私をイジメた人の顔を思い浮かべながらテストを解けきった。
そして、入試が終わり結果発表。

私は無事、合格する事が出来た。

スポーツ高校から合格する事は異例の出来事らしい。

私は彼氏の足を治す事に一歩近づく事が出来、喜びに満ち溢れていた。

そして少し時が流れ、高校の卒業式。

私が名門大学に入った事を知り、学校内のみんな、私を見る目が変わった。

中には今までイジメてきてしまってごめんと謝る人までいたぐらいだ。

しかし、そんなことはどうでも良かった。

彼氏の足を治す事に一歩近付く事が出来た。それだけで、満足だった。嬉しかった。

そして大学生活が始まった。私は先人に立って足の医療の研究を進める。

周りに今まで同じ学校だった人はいない。新しい人間関係、新しい環境で充実した大学生活を送っていた。

もちろん、私をイジメてくる人もいない。

こうして私は、気付けば足の最先端の研究をするリーダー的な存在になっていた。夢が叶ったのだ。

私はこのまま研究を続ける。

そして遂に、私は足の細胞を生き返らせる事が出来るワクチンを開発する事が出来た。

そのワクチンを持って彼氏の入院している病室へ。

「遂に出来たよ」

ワクチンは毎日定期的に塗り続けた。

すると彼氏の足は、今までが嘘のようにみるみる内に良くなっていったんだ。

数日後、遂に彼氏はリハビリをするところまで回復した。

当たり前の事だが、サッカー選手になるという夢はもう叶える事が出来ない。でも、サッカーがまた出来る足には戻れそうだった。

彼氏が私を見て言った。

「ありがとう」

あれから、5年の時が経とうとしていた。彼氏は完全にサッカーが出来る足へと回復していた。いつものように公園でリフティングをしている。

彼は公務員になった。入院中にコツコツ勉強を続けていた結果だろう。

夢のサッカー選手にはなれなかったとはいえ、彼氏は彼氏なりに充実した生活を送っている。

いつもの公園で、いつもの2人で、たわいも無い話をする。サッカーボールを持った彼と、白いワンピースを着た私。

そして、彼は言った。

その一言で今日という日を忘れられない日にする事が出来る、魔法の言葉を。

「結婚しよう」

白いワンピース。それは愛の始まりの色。

私は、この白いワンピースが大好き。

完。

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自己紹介

りんメロ☆

りんメロ☆

関西住みの20代男性です。趣味は料理とゲームで、特にゲームの中でもポケモンは昔から好きなコンテンツの一つです。 Play of Universeのweb制作にも携わっています。詳しくは詳細からお願いします。 [詳細]



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