りんメロ式講座

白いワンピース。 その3

time 2019/12/03

↓前回
白いワンピース。 その2

桜満開の季節。4月だ。

私の名前は小倉真理子。今日から高校1年生。

私には大好きな彼氏がいる。

彼氏の名前は青木圭介。サッカー馬鹿だ。

彼は夢のサッカー選手へ向かってスポーツ高校へ進学した。

私も後を追うかのように大好きな彼氏と同じ高校へ進学する事にした。

サッカー部のマネージャーになって、彼氏の活躍を間近で見たい…
これほど幸せな事って、他に無いだろう。

その夢を実現する為、私は迷わずサッカー部のマネージャーへ入った。

しかし、現実は甘くなかった。私はそこでイジメに遭う。

彼氏の青木圭介はその圧倒的身体能力のおかげで高校2年生のエースとなっていた。

エースの元には質の良いマネージャーが就くのが決まりだった。

しかし、そんな事関係無しに私は彼氏のマネージャーに就く事しか考えてなかった。

マネージャーのキャプテンに何度も彼氏のマネージャーをやりたい事を言う。

そのダメ押しのおかげで何度か彼氏のマネージャーに付けた事はあるものの、周りからは冷たい目で見られていた。

更に私は彼氏のマネージャーしてる時はデレデレしてるくせに
他の選手のマネージャーしてる時は冷たい反応をみせてしまっていたりした。

彼氏じゃない男の面倒を見なければいけない。その事に嫌気が差して。

そんな事を続けていくうちに周りから
「何だアイツ」
「何あの人鬱陶しい」
などの私の嫌味を言っているかの声が次第にあらゆる場所で聞こえるようになった。

そして、ある出来事により、私は更に嫌われるようになってしまう。

その出来事とは文化祭。私のクラスは劇をやる事となった。

劇のタイトルはシンデレラ。
そして私はシンデレラ役だ。

みんな劇はやりたかったものの主役はやりたくないみたいな感じで、余った私が主役を任される事となった。

そして本番が始まる。白馬の王子様役は、もちろん私の彼氏ではない。

途中までは台本通り演技が出来たものの、途中から彼氏以外の人と役をやり合うのに嫌気が指してきた。

私は耐えきれなくなってしまい、劇の途中にも関わらず逃げ出してしまった。

会場は大騒動。

「小倉さん!どこに行くの!?待ってください!!」

後ろからそんな声が聞こえる。

しかし、私は
逃げる。逃げる。逃げる。

地の果てまでも、どこまでも。私は限界だった。

早く彼氏と会いたい。
一緒に遊びたい。
イチャイチャしたい。
癒してもらいたい。
そんな事しか考えてなかった。

結局その劇は私が失踪した事により中止になってしまい。私は学校中の嫌われ者となってしまった。

クズ。
生意気者。
死ね。
カス。

そのような言葉を道端に歩いているだけで何度も何度も耳にするようになった。

しかし、私は気にしない。だって私には彼氏がいるのだから。
辛い事があっても彼氏が癒してくれる。
もう彼氏以外とは一切関係を持たなくても良い。

その騒動があった次の休日。私はお気に入りの白いワンピースを着ていつもの公園へ。そう、彼氏が待っているいつもの公園。

そこに、いつものように私の彼氏が待っていた。

しかし、いつもと様子が違った。何か心に重い何かを抱えているように感じる。

私は声をかけた「どうしたの?」

すると、彼は答えた。

「別れよう」

!?

私の心は真っ白になった。
何を言っているのか理解出来なかった。

いや、分かっていた。
分かろうとしてなかっただけだった。

信じたくなかった。
私の唯一の心の支え。

それを…今、失おうとしている?

やはり信じられなかった。

しばらく沈黙が続き、彼が重い口を開ける。

「俺は、本気でプロのサッカー選手を目指すためにここの高校へ入った。俺はこの高校生活の間はサッカーに集中したい。
真理子とイチャイチャするのは楽しい。しかし、それはお互いに良くないなと思って。俺にとっても、真理子自身に取っても。
真理子は、俺に依存しすぎている気がする。」

彼氏の言う事は最もだ。私は彼氏に依存しすぎている。
彼氏がいないと生きていけない。彼氏が私の唯一の心の支えだった。

しかし、依存しすぎているあまり、私は彼氏の邪魔をしてしまった。

質の良いマネージャーではなく、素人である私が無理やりマネージャーをやっていた時
彼氏はどんな気持ちになっていたのだろう。

対応の早さや質の差も全然違っただろう。

私は、絶望した。今までの自分の誤ち、彼氏に対しての迷惑な行い。何もかも。

今思えば私はこの彼氏に全力を注いできた。この学校へ来たのも彼氏がいるからという理由だったし、学校中で嫌われ者になった全ての要因になったサッカー部のマネージャーも、全て彼氏が原因で始めた。

しかしそれらが全て今この瞬間無駄となった。

「無 駄」

になった。

絶 望 。

気付けば私は涙を零していた。

白いワンピースは私の涙でグチャグチャになっていた。

彼は「じゃあな」と言って席を立とうとする。

私は、このまま何もかも終わってしまうのが嫌だった。

彼に、しがみ付く。

「待って!」

すると、彼は

「触るな」

と言い、私を地面へと払い除けた。

私は泥塗れになった。白いワンピースごと。

白いワンピースは、泥塗れのワンピースへと姿を変えた。

その時、上からポツポツと何かが降ってくるのを感じる。

雨だ。

雨は少し降り出してから、やがて本降りへと変わる。

私は彼に払い除けられてから、動けなくなっていた。

それが、彼に触れる事が出来た最後の瞬間なのだから。

もう、彼に触れたくても触れる事が出来ないのだから。

私のワンピースは、涙と雨と泥でグチャグチャになっていた。

↓続き
白いワンピース。 その4

sponsored link

down

コメントする




自己紹介

りんメロ☆

りんメロ☆

関西住みの20代男性です。趣味は料理とゲームで、特にゲームの中でもポケモンは昔から好きなコンテンツの一つです。 Play of Universeのweb制作にも携わっています。詳しくは詳細からお願いします。 [詳細]



sponsored link